世界最高の子育て―「全米最優秀女子高生」を育てた教育法

書店の教育系コーナーで圧倒的な存在感を放っていた本、

『世界最高の子育て』を読んでみました。

 

 

 

概要


 米国で取り組まれている世界最先端の教育を紹介した本です。

 

 「最先端」なんて言うとアカデミックな天才を目指す印象を持ってしまいますが

 本書の紹介する教育とは、

 自主性に優れ、リーダシップを発揮する人物を目指す、といったところの

 ビジネスや政治界でのエリート育成をターゲットにした教育です。

 

 そのため、日本の社会人が受講するような、

 初級のビジネス研修と少し似ています。

 きっとルーツが同じなんでしょうね。
 

 著者のボーグ・重子さんは、

 娘さんをアメリカのエリート有名校「ボーヴォワール校」等に通わせ、

 さらに、家庭内でも様々な工夫でもって子育てにのぞんだようで、

 多くの実践例が書かれています。

 

 素晴らしいことに、その後、成長した娘のボーグ・スカイさんは

 米国各州の代表女子高生間で、

 リーダシップやコミュニケーション力、社会貢献などの総合的な優秀さを競う

 Distinguished Young Womenで優勝を勝ち取りました。

 

 本書内では、著者の努力だけでなく、

 娘さんの生活や、プロのバレエダンサーになるための努力、苦闘、

 そして、成功体験がかかれており、

 その様々なエピソードから、二人とも芯が強く明確なビジョンを持った

 素晴らしい人物であることが伝わってきます。


 あくまで主題は教育方法ですが、 読み進めていくうちに

 自然と、この親子2人について興味を持ってしまうような魅力的な本でした。

 

 

想定される読者層

 3歳~中学生の子供を持つ親御さん。

 特に、米国や世界で行われている先進的な教育に興味のある人は

 楽しく読めるでしょう。          

 

   家庭内での実践例などでは、

   子供との言葉でのコミュニケーションを前提としているので

   2歳以下の子にはまだ適用できない話かな、という印象。

 

 また、社会人としての基礎的な素養を向上したいと考えている

 大人の方にも参考になるかもしれません。

 


ピックアップ

 本の中で、色々と気になる事柄が書かれていたので調べてみました。

 

ボーヴォワール


www.beauvoirschool.org

 

 本書内で、本校の教育方針がまとめられていたので ※

 同じような記載がHPにあるかと期待しましたが、見つかりませんでした。

 上記のHPを読むよりも、本書をチェックした方が参考になりますね。

 

 ※

 同校は、日本が重視してきた、いわゆる「詰め込み型の学力」と対極にある  

 社会情緒的スキルの育成を重視しており、その具体的な項目としては、

  • コミュニケーション力
  • 自信
  • 自制心
  • 協働力
  • 責任感
  • 共感力

 が挙げられています。 

 

 

2020年の日本の教育方針の変更

 上記のような世界的動向を受けてか、

 日本でも教育方針が2020年に変わるようです。

 

 ざっくりいうと、

 問題解決能力を伸ばし、

 授業形態として、講師-生徒間、もしくは、生徒-生徒間での

 双方向型コミュニケーションを取り入れていく

 というもの。

 

 ただ、文科省の資料だと簡潔にまとまっているものがなさそうでした…
 強いて挙げるなら ↓ かな。。

 [下村臨時議員] 2020年 教育再生を通じた日本再生の実現に向けて  

 https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0527/shiryo_02.pdf


 

 あとは、ベネッセが分かりやすくまとめてくれている資料もあるんですが、

 かなり大枠の説明という感じ。

 [ベネッセ] 2020年 教育改革

 https://www.benesse.co.jp/kyouikukaikaku/images/common/education.pdf

 

 というわけで、気が向いたときにまた探そうと思います。

 


ボーグ・スカイさん(著者の娘さん)

 本書内で、スカイさんの受賞式(?)の写真が掲載されていましたが

 立ち姿がめちゃくちゃキレイでした!さすがプロ級のバレエダンサですねー

 

 彼女が 「Distinguished Young Women」で優勝したのは2017年のようですが、

 いまだにそのHPでは彼女の写真がたくさん載っています。(2019年3月現在)

 うーん、まさに才色兼備。
 distinguishedyw.org

 

 すこし残念なのは、ネットでスカイさんの情報を探すと

 上記の受賞の情報に埋もれてしまって、

 バレエの情報がなかなか見つからないことですね。
 

 演技している動画は、↓ ぐらいしかなさそうでした。

 (本人が上げてくれてた動画のよう)

 

 YAGP 2016 Boston #552 S Bork Coming To Life

  www.youtube.com

 

 

「自己平均」という指標で自分の頑張りを評価する

 ポジティブな心構えを保つ工夫の1つとして紹介されています。


 たとえば、ランニングの練習をする際に

 最高記録のタイムを指標にして取り組んでしまうと、

 自己新を更新できた時にしか満足感を味わえないことになります。

 

 つまり、練習の大多数は満足できない結果となってしまい

 自然とネガティブな状態に陥ることが多くなります。
 

 指摘されつくされたことですが、

 何事も、ポジティブな状態で取り組む方が良い結果を得られるのですから、

 練習においても、ポジティブさを維持できるよう、1つ工夫します。

 

 つまり、自分が満足する指標のハードルを少し下げるのです。

 

 「過去最高」の記録ではなく

 「自分の平均記録」という指標を設けておいて

 平均を超えればその日の自分を褒めてあげる、

 

 という態度で臨むようにすることで、必要以上にネガティブになることを避け

 メンタルの安定性を保つことが期待できます。

 

 子供が落ち込んでいる時などに教えてあげたい考え方ですね!

 

 

以上